韓国の徴兵制度について
法文学部社会文化学科現代社会コース 佐々木愛子
韓国は日本にとても近い国で最近様々な交流をしていますが、日本にはない制度の徴兵制というものはどういうものなのかと思い調べてみようと思いました。

ちなみに、1回生の韓国語の授業でよくチェ先生が軍隊にいたときの話をしてくれました。その話からも、韓国の軍隊というのはとても恐ろしいものだと感じました。ちなみに、チェ先生は殴られて鼓膜が破れたり、極寒の中で外に立たされ、水をかけ続けられたりしたそうです。

韓国では、「納税」「子女の教育」とならび、「国防」が男子のみですが国民の義務となっています。そして、韓国の憲法には

第39条 一、すべての国民は法律の定めるところにより国防の義務を負う。

二、何人も兵役義務の履行によって、いかなる不当な処遇をもうけない。

というような条文があります。また、日本にはない兵役法という法律があり、そこには次のように記載されています。

第3条  一、大韓民国国民である男子は憲法とこの法の定めるところにより兵役の義務を誠実に遂行しなければならない。女子は志願により現役にかぎって兵役に服することができる。

つまり韓国では徴兵制がしかれているので、男と生まれた以上は特別な事情(特定の疾患がある場合、2年以上の受刑者、孤児、など)がなければ兵役に服さなければならず、満19歳になれば徴兵検査の通知が家に配達されて徴兵身体検査を受けます。身体検査は身長と体重、視力により1〜7級にわけられ、1〜5級は兵役につき、6,7級は免除となります。ちなみに、第3条の一の現役というのは、ここの1〜3級に分けられた人のことです。現役の判定を受けたものは、陸軍26ヶ月、海軍28ヶ月、海兵隊26ヶ月、空軍30ヶ月、公益勤務要員26ヶ月の兵役につくことになります。が、大学生の場合には24歳まで入隊が延期されます。4年制大学に通う場合、2年生を半ばまで通って入隊するパターンが最も多いそうです。軍隊に行っている間は大学を休学することになります。

そして、この兵役においてもっとも深刻にかんがえられている問題は、彼女の心変わりだそうです。彼氏と違い兵役の義務がない彼女は、2年以上も心変わりせずに待っていることはかなり難しいようです。

軍隊に行ってきて得られるものは、@忍耐と根気、A団結心、B相手をののしる言葉のレパートリー、C現実に順応する能力、D人生を考える時間の五つで、逆に失うものは、@時間、A現実に対する夢、B彼女の3つだそうです。

最近では韓国四天王と呼ばれているウォンビンの除隊などもニュースになりました。ウォンビン自身、この除隊を申し訳なく思っているようで、入隊時とのファンの対応なども違い、この兵役が義務として韓国では本当に重要視されていると感じました。島国で海に囲まれている日本と他国と隣り合っている韓国では、歴史背景も加え、防衛の意識もかなり異なるのではないでしょうか。

自殺者は2004年には60人にものぼり、そのほかにも上官のいじめに耐え切れなくなり、復讐のために同僚を殺害するという事件も起こっていると聞きました。また不当に兵役逃れをする輩も増えているそうで、しばしば問題になっているようです。

今回、名前だけしか知らなかった韓国の徴兵制度のことを調べ、受験を乗り越え、青春真っ只中の韓国の男子大学生の大変さが少しだけわかったような気がしました。


参考文献:韓国の若者を知りたい 水野俊平著 岩波ジュニア新書