外国語教育センターにおける外国語教育プログラムの概要
平成16年度の島根大学外国語教育センター発足に伴い,松江キャンパスにおける英語及び初修外国語(ドイツ語,フランス語,中国語,韓国・朝鮮語)のカリキュラムを一新し,毎年自己点検しながら改善を加え,学生ニーズ・社会的ニーズに即した新しい外国語教育取り組んでいます*。
外国語教育センターが実施する外国語教育は,グローバル社会の中での相互理解,国際的認識,異文化理解に必要とされる言語的コミュニケーション能力を培うことを第一の目標にしています。
そのすべての外国語教育の運営の共通する大きな特徴は,外国語教育センターとして組織的な外国語教育を展開しているということです。また,外国語教育センターの教育活動は,正規の授業以外でも,特に語学力の不足する学生の支援を積極的に行っています。
*出雲キャンパスの医学部においては,別途,独自の新しい外国語教育プログラムを実施しています。
英語教育プログラム
英語教育プログラムの特徴
①TOEICを活用した組織的な英語教育の実施
新しいカリキュラムにおいては,TOEIC-IP(Test of English for International Communication - Institutional Program)を年2回実施し,その「TOEIC効果」が十分発揮されるように学生をサポートしながら,自ら学ぶことを基本として,「役に立つ英語」あるいは「使える英語」の習得を目指すカリキュラム作りを行いました。
②学生の興味・関心に沿って4年間学べる教育内容の提供
学生の学習意欲を高揚させるプログラム作りを構想し,2年生のクラスでは,学生の興味・関心に沿った選択ができる従来のメニュー方式を継続しました。また,必修科目を終えた後に履修できる,選択科目(英語ⅢA・ⅢB,英語Ⅳ)も提供し,4年間継続的に学べるシステムをとっています。それぞれのメニューについては,学生ニーズ・社会的ニーズを勘案して,2~3年毎に見直しを行っていきます。
③習熟度別クラスの導入
学習環境についても改善を図り,可能な範囲で少人数教育を推進しながら,習熟度別クラス編成を導入しています。読解中心のクラスでは40名を基本としていますが,リスニング中心のクラスでは30名,会話クラスでは20名を実現しました。学部・学科ごとのクラス編成ではなく,文系学部,理系学部で大きな学生母集団を作る工夫をし,できる限り効果の上がるクラス編成を行っています。
カリキュラム図
履修年次 | 授業科目名 | 内容 | 単位 | 必修・選択 | 成績評価 | |
1年 | 前期 | 英語ⅠA | 総合入門英語 | 1 | 必修 | 統一試験及び共通小テスト |
後期 | 英語ⅠB | 読解基礎英語 (Reading対応) |
1 | 必修 | TOEIC Readingスコア 及びレベル別共通小テスト |
|
英語ⅡA | 運用基礎英語 (Listening対応) |
1 | 必修 | TOEIC Listeningスコア 及びレベル別共通小テスト |
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2年 ~4年 |
2年前期 | 英語ⅡB | 目的・技能別メニュー (アカデミックリーディングA,B, コンポジション,スピーキング&リスニング) |
1 | 選択必修 | メニュー別個別試験 ※TOEIC(-IP)300点未満の学生は受講できない。 |
2年前期 ~4年後期 |
英語ⅢA | 中級英語・上級英語 (会話,目的・テーマ別メニュー等) |
1 | 選択 | メニュー別個別試験 | |
英語ⅢB | 1 | 選択 | ||||
英語Ⅳ | 1 | 選択 |
初修外国語教育プログラム
初修外国語教育プログラムの特徴
①グローバル社会を生き抜くための初修外国語教育
国際社会人の教養として,多元的文化の理解を深めつつ,各外国語の基礎的運用能力を習得します。また,未知の言語について学ぶ学習プロセスは,専門教育に通じる知的訓練としての意味も大きく,初修外国語を学ぶことにより,総合的人間力を高める教育を目指しています。
②ネイティブ・スピーカーと共に学ぶ初修外国語教育
新しいプログラムでは,旧来の文法,読本に細分化された授業ではなく,言語4技能に均等に目配りした総合的授業展開をすることで,バランスの取れた外国語運用能力の養成を目指しています。平成17年度からは,すべての外国語にネイティブ・スピーカーを配置し,特にプラクティカルな面を重視しています。
③組織的な外国語教育の実施
外国語教育センターは,島根大学の初修外国語教育の責任母体として,各外国語の間で格差が出ないように組織的対応をしています。以下の項目に具体的効果をあげています。①クラス人数の平準化,②開講時間帯の統一,③外部外国語能力試験を想定した統一的到達目標の設定,④成績評価基準の統一,⑤シラバス記述項目の統一,⑥統一教科書,統一試験の導入,⑦統一したメニュー授業の導入,⑧授業内容の均質化,⑨組織的な学習支援,⑩組織的な自己点検,評価,改善
初修外国語教育プログラムの具体的内容
1年前期 ○○語Ⅰ(総合基礎) (週2回,計60時間2単位)
(ドイツ語,フランス語,中国語,韓国・朝鮮語から一つ選択)
この科目では,統一テキストを使用し,読む・書く・聴く・話すという4技能のバランスのとれた初修外国語の運用能力の基礎を身につけることを目的としています。また,英語以外の外国語を学ぶことで,多元的文化の理解を目指しています。成績評価に関しては,各外国語で統一試験を実施し,すべての外国語,すべてのクラスで成績評価の基準を統一しています。
1年後期 ○○語Ⅱ (週1回30時間1単位の授業を2科目,計2単位)
(ドイツ語,フランス語,中国語,韓国・朝鮮語から一つ選択)
学生が授業を選べるカリキュラムとなっています。前期成績発表時に受講したいメニューの希望調査をし,クラス編成を行っています。現在実施しているメニューは以下の通りです。
①文法,②読む・書く,③総合(前期の総合基礎を引き継ぐ授業内容),④検定対策,⑤話す,⑥聞く