フランス語
イタリア語の歌心も無い。スペイン語の情熱も無い。ドイツ語の厳格さも無い。西ヨーロッパの言葉の一つとして,では,フランス語には一体何があるのでしょうか。
やはり,音の美しさと,ゆったりとしたリズムが快い言葉,と答えざるを得ません。その美しい音を可能にするために,単語一つの中で,単語のグループ内で,そして文の単位で,あらゆる工夫が凝らされている言葉です。そこにはもちろん,明確な規則性があり,そのルールにしたがって発音していけば(もちろん美しいフランス語を話すフランス人のようにはいきませんが),われわれ日本人にも,その美しい音を習得することが可能です。
また,文法上の様々な点においても,明確な規則性の上に成り立っていることが実感できると思います。現在のフランス語は,ほぼ17世紀に確立されたのですが,その規則がほとんどそのまま残り,今に至っています。曖昧さを残さぬよう工夫された,かなり人工的な言葉と言えるでしょう。
音を大切にする言葉ですが,フランス語が繰り広げる世界は,人間の喜怒哀楽と同時に,理性を述べ伝えるにあたって,不足があろうはすがありません。優しく語りかける,また,論理を駆使して相手を説得する。フランス語はそのいずれも得意な言葉です。
みなさんの口から出てくる美しいフランス語を聞くことが我々スタッフの大きな楽しみ