韓国の伝統衣服について
法文学部社会文化学科現代社会コース 佐々木愛子
韓国服の様式は李期中期頃から現代まで基本的にはほとんど変化していないが、一方では日本の紋付袴と同様に、現代の国際化の波にのまれてしまい、辺境の一部にしか残っていないような習俗もあります。
韓国服の基本形は上衣がチョゴリで、下はパジ(袴)とチマの2つの形式が通常の服装で、この他に日本の羽織に相当するツルマギがあります。ツルマギは主に男子の礼服にあたり、女子の基本形ではありませんが、女子も秋・冬の防寒用にツルマギを重ね着することがあるそうです。
男子の服装は、女性より長いチョゴリを上に着て、ズボンにあたるパジをはきます。パジは初めは馬に乗って狩りがしやすいように幅が狭いものでしたが、農耕社会になり、畑で働きやすいよう幅がだんだん広くなりました。広くなったパジはゆるい袋のような形になり、床に座りやすい面もあったようである。
女子の服装は、男性より短いチョゴリを着、スカートのようなチマをはきます。チマは広げると四角形で身に巻くと桶のような形になり、上部にひだがとられています。長い帯がついていて、それを胸の上で結ぶと、体つきをカバーするのにちょうどよくなっています。チマは当時家事をするのに一番便利な服だったようです。
これらの表側の衣類の他に、肌着や下着、帯、手袋、足袋、冠帽、靴などの服装要素が加えられて、韓国服の一般様式が成立します。
また、上流階級の人たちは百姓たちにくらべてずっと高価で贅沢なファルオッやウォンサムと呼ばれる服をきました。朝鮮時代には服に着る人の階級を区切る象徴を入れ始めました。竜は王を、不死鳥は女王を意味し、姫たちは花柄がついた服を着ました。高級官僚たちは雲や鶴が入った服を着、黄金の色は王族たちだけが使うことができました。百姓たちはというと、特別な行事や祝祭日以外の日は白服を着ていました。
婚礼服は明るくて陽気であり、節句や慶事の日は華やかな服を着ました。
日本が白無垢からウェディングドレスに変わったように、韓国でも時代とともに婚礼服は明るく華やかにかわりました。様式を好み、新郎はタキシードや紳士服、新婦は白いウェディングドレスを着て結婚式を行います。
日本では、祭りでは浴衣やハッピ、成人式では振袖を着たりしますが、韓国では伝統的な衣服を着飾るほどの祭りは多くないそうです。なので、日本の伝統衣服を着た伝統行事を羨ましいと思う韓国人もいるようです。